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請求者(誰が請求できますか?)

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株主であれば誰でも損害賠償請求できますか?

虚偽記載等がなかったらそもそも株式を取得しなかった方や、虚偽記載等により割高となった価額で株式を取得した者など、虚偽記載等による影響を受けた方が請求者となります。すなわち、虚偽記載等の「後」に株式を取得した方が対象となります。

また、虚偽記載等の発覚により株価が下落し、損害が生じたことが必要であるため、虚偽記載等の事実が公表された日(以下「公表日」といいます)までに株式を所有していた方が対象となります(公表日以降に株式を処分した方、現在もまだ株式を所有している方、いずれも含みます)。

まとめると、損害賠償できる可能性のある方は、①虚偽記載等の後から公表日までの間に株式を取得し、かつ、②公表日までに株式を所有していた方(公表日以降に株式を処分した方、現在もまだ株式を所有している方、いずれも含みます)となります。

なお、上記の期間に株式を取得・所有していた方でも、株式の取得時に虚偽記載等の事実を知っていた株主は、保護の必要性を欠くため、請求できません。

また、時効が成立している場合も、請求できません。

「公表日」はどのように決まりますか?

「虚偽記載等の事実を公表した日」を「公表日」と呼びます(金商法21条の2の3)。

公表日前後の株価の変動をもって損害を算定する場合、この公表日をいつと設定するかによって損害額が大きく変わることがあるため、重要な争点となります。

公表の主体は、虚偽記載等のあった有価証券報告書の提出者である会社や、会社に対する監督権限を有する行政官庁等です。出所不明の噂話が流れた日は公表日にあたりません。

公表の手段は、会社や行政官庁による報道発表、記者会見のほか、会社による証券取引所への通知など、当該虚偽記載等の存在が一定の信頼性のある形で広く市場に伝達される日をいいます。

どの程度の事実が明らかにされると「公表」と言えるのかについては、虚偽記載の全容が必ずしも完全に正確な形で公表される必要はありません。市場の評価の誤りを明らかにするに足りる基本的な事実関係の伝達がなされた場合には、「公表」があったとされます。

たとえば、雑誌などのマスメディアに対する会社の非公式なインタビューへの回答は「公表」には当たらないとし、検察官が司法記者クラブに加盟する報道機関の記者らに対して虚偽記載の容疑がある旨を伝達した日を「公表」と認定した裁判例があります。

「公表日」が複数ある場合は、どうなりますか?

虚偽記載等について、会社が複数回に分けて公表を行うことがあります。

その場合、各公表日の前後で株価の変動が大きくなるため、いずれを公表日と認定するかが問題となります。

この点について明確に判示した裁判例や文献はありませんが、理論的には、両日を公表日として最大額の損害賠償請求を主張することが可能ですので、当事務所では必要に応じてこの解釈で立論していく方針です。